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監修者:中島先生について

監修者:中島先生について

プロフィール


 中島 博

中島 博先生弘前大学医学部卒業。東京医科歯科大学医学部第二外科入局。ドイツ連邦共和国 ハイデルベルク大学胸部外科に留学後、帝京大学医学部第二外科に勤めながら、理化学研究所嘱託研究員、ドイツ連邦共和国ルードヴィックスハーフェン心臓センター客員を兼任。大宮医師会市民病院内科医長、板橋中央総合病院循環器科診療部長を経て、2014年9月に一般財団法人 日本デバイス治療研究所を設立して専務理事に就任。現在までに1500例以上のペースメーカーをはじめとする植え込み型心臓デバイス手術を行っている。

平成16〜18年度厚生労働省科学研究補助金「労働安全衛生研究事業」研究員、経済産業省委託事業 平成20年度基準認証研究開発委託費(RFID機器が植え込み型医療機器に及ぼす影響の評価方法に関する標準化)、ISO−TR提案審議委員会 委員を歴任。現在は、日本循環器学会「ペースメーカー、ICD、CRTを受けた患者の社会復帰・就学・就労に関するガイドライン」作成班協力研究員、日本不整脈学会 安全対策委員会 副委員長、 同学会 健康保険委員会委員、同学会 社会問題委員会委員、外科系学会社会保険委員会連合委員。

代表的な著書(共著)として「生活環境とペーシング.ペースメーカー治療 (相澤義房編、p226−235、2004年5月20日、メジカルビュー社)」、「スクリューインリードの特性と使い方.心室中隔ペーシングの実際.(安部治彦 編、p24−46、2007年5月20日、メディカルレビュー社)」、「医療環境における電磁干渉と安全対策 放射線診断機器(CT、MRIを含む)による電磁干渉.生体内植え込みデバイス患者と電磁干渉.(安部治彦、豊島 健 編、日本不整脈学会 監修、p241−269、2007年6月1日、メディカルレビュー社)」、「ペースメーカー患者における電磁干渉.生体内植え込みデバイス患者と電磁干渉.(安部治彦、豊島 健 編、日本不整脈学会 監修、p117−163、2007年6月1日、メディカルレビュー社)」、「日常生活で遭遇しやすい電磁干渉:対策はなにか.心臓リズムマネージメントを極める.(奥村 謙 編、p448-455、2009年7月10日、メジカルビュー社)」などがあり、また共編として心臓デバイス植込み手技(石川利之、中島 博編、2011年3月、南江堂)がある。

 

患者様へのメッセージ


皆様こんにちは。日本デバイス治療研究所の中島です。板橋中央総合病院を退職してこの研究所を設立しました。
私がペースメーカーに触れたのは、今から遡ること1983年、当時はドイツ連邦共和国(西独)のハイデルベルク大学留学中でした。従いまして、かれこれ30年以上もペースメーカーをはじめとした心臓植込型デバイス治療に携わっております。日本デバイス治療研究所立ち上げた後も、臨床は現役で、いくつかの病院でたくさんの患者様を診療治療しております。

ペースメーカーを始め心臓植込型デバイス治療は、他の人工臓器を用いた治療とは多少違った優れた特徴があります。まず、体の中に器械(電子機器)を植え込むということ、そしてこの植え込まれた機器を体の外から操作できるという点が他の治療法にはない特徴なのです。例えば、人工弁や人工関節は同じ人工臓器でありながら、植え込むのは機器ではなく器械であり植え込んだ後では調整ができません。植え込まれたままで使用し続けるしかないのです。また、血液透析の人工腎臓は体の中に植え込むことはできません。

心臓植込型デバイスでは植え込まれた機器を体外から操作できますが、言い換えると、植え込まれた体に最適な状態で機器を使用できるということです。これは他の人工臓器に無いとても優れた特徴です。植込患者の皆様には、自分に植え込まれた機器を最適な状態に調節するためにペースメーカー外来に来ていただきます。ここで、様々な値を測定したり、電池の状態を確かめたりするのです。逆にいうと、最適な設定にしなければせっかくの高度な器械も十分にその機能を引き出せない可能性があります。

さて、昨今の公共交通機関ではペースメーカーなどの機器が携帯電話の影響を受けるごとく、車内放送が繰り返されてきました。植え込まれた器械は電子機器ですから、外部の電磁波に影響を受けることがあります。MRI検査が受けられない理由はそこにあります。しかし、携帯電話は通常の使用法([植込み部位から15cm以上離す]総務省の調査結果からのガイドラインより)では影響を受けません。これにもかかわらず、いまだに放送が繰り返されている現実に目を向ける必要があります。器械を植え込まれた患者様にとっては、このような外部からの干渉は恐怖の的です。しかし、心配はいりません。ごく特殊な環境で影響が知られているだけで、日常生活にはほぼ影響がありません。このような情報を患者様にもたらすのも、ペースメーカー治療に携わる医師の勤めです。心臓植込型デバイス治療は心臓のことに限らず、安心して日常生活ができるようにすることが前提です。この心臓植込型デバイスは日常生活に復帰するための道具なのです。

ペースメーカーをはじめとする心臓植込型デバイス治療は、患者様に非常に多くの利益をもたらし、また尊い命を守ってまいりました。しかし、器械に守られている生活だからこそ、器械が故障したり壊れたりという、普通の人にはない気苦労ももたらしていることは事実です。どうか皆様、このホームページで疑問や不安の答えを探しだしてください。多くの人と体験を共有して喜びを分かちあって下さい。われわれは、植込型デバイスを装着された皆様の安らかな生活を力の限り援助します。